連絡がつかない相続人がいても相続放棄できるか
1 連絡がつかない相続人がいても相続放棄できる
相続放棄は、それぞれの相続人が各個人で行う手続きですので、他の相続人と連絡がつかなくても、相続放棄自体は問題なく行うことができます。
むしろ、相続放棄の期限は、自らが相続人であることを知った時から3か月以内ですので(民法915条1項)、相続人に財産を上回る多額の債務がある場合などは、他の相続人と連絡が取れるか否かに関わらず、早急に相続放棄の手続きを進めるべきということができます。
2 相続放棄後の財産管理の可能性
相続放棄をすれば、その相続に関し、初めから相続人でなかったものとみなされますが(民法939条)、手続きがそれで終わりではない場合があることに注意が必要です。
相続放棄をした人が、相続財産を現に占有している場合、相続放棄をしていない相続人や相続財産清算人(2023年4月1日の民法改正までは、相続財産管理人と呼ばれていました。)に財産を引き渡すまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければなりません(民法940条)。
3 連絡がつかない相続人がいる場合、どう対応すべきか
連絡がつかない相続人がいる場合の対応策は、もちろん個々の事案によって異なりますが、連絡がつかない相続人との相続争いに巻き込まれたくない場合や、被相続人がプラスの財産を上回る債務を負っているような場合は、相続放棄を選択する場合が多いと考えられます。
ただ、相続放棄をしても、財産の管理を続けなければいけない可能性がありますので、財産がある場合には、むしろ連絡がとれない相続人との連絡を試みて、遺産分割を進めていくという方法もありえます。
弁護士に依頼をした場合、弁護士は、連絡がつかない相続人の本籍地を調査し、戸籍の附票を取得することで、その相続人の住民票上の住所地を知ることができますので、そこへ手紙などを送り、遺産分割協議を行うきっかけがつかめるかもしれません。
被相続人のプラスの財産があり、連絡がつかない相続人との関係が特段悪いわけでなければ、相続放棄の熟慮期間内に連絡を試みるのも1つの選択肢であるといえます。



























