株式を相続放棄することはできるか
1 株式の相続放棄の可否
株式は、被相続人の財産、すなわち相続財産であり、これを相続放棄することが可能です。
ただし、株式を相続放棄するということは、被相続人のその他の財産や負債を全て相続しないということになりますし、一度相続放棄をすると撤回はできませんので、以下のような点を考慮のうえ、慎重な判断が必要です。
2 上場株式の場合
被相続人が所有していたのが、上場企業の株式であれば、保有して値上がりを待ってもよいですし、売却して換価することは容易と考えられます。
また、売却してしまえば、相続人の持ち出しで相続税を納めるような事態も回避できる可能性が高いです。
したがって、被相続人が所有していたのが上場株式の場合は、あえて相続放棄を選択しなければならない理由は少ないといえます。
3 非上場株式の場合
一方、被相続人が中小企業を経営しており、その会社の非上場株式を所有していた場合、株式を取引する市場がないので、株式を相続しても、その換価は困難を伴います。
換価できない場合でも、その評価額に応じて相続税が発生するので、相続人の持ち出しで相続税を納めなければいけない可能性があります。
また、被相続人が中小企業の経営者で会社の大半の株式を所有している場合、株式を相続すると、会社の経営権を有することになるので、会社の経営権を巡って、相続人間の争いが生じるおそれがあります。
さらに、被相続人が会社の経営をしている場合、会社の借入れの連帯保証人になっていることも多いです。
株式を相続するということは、それ以外の被相続人の財産のみならず、債務も相続するということですので、多額の借入れの連帯保証人になってしまうことがありえます。
以上のようなことを踏まえれば、被相続人が非上場株式を所有していた場合、その会社を引き継いで経営していくということであればもちろん相続をすべきですが、経営には関わらない場合には、相続争いや相続税の納付の困難、多額の債務を相続すること等を避けるため、相続放棄を選択する方がよい場合もあると考えられます。
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